2003年度 コンピュータリテラシー演習 |
4月24日:ファイルシステムの基礎
【1】情報の記録場所 … ディスクドライブ
コンピュータは,一般に情報をディスクドライブ(disk drive)装置に記録しておく。このディスクドライブ装置は,コンピュータのケースに直接内蔵されている物と,外付けのケースに入れられているものがある。
▲ケースに入った外付けディスクドライブ(下に見える端子でコンピュータに接続する)
▲ケースを外すとハードディスク本体が見えるディスクドライブ装置は,ビデオテープのような磁性体に情報を記録する。そのため,ディスクドライブ装置に記録しておいた情報は,コンピュータの電源を切っても失われない。ただし,ビデオテープが文字通りテープ状の物であるのに対し,ディスクドライブ装置には,非常に薄い円盤(disk=disc)状の磁性体が入っている。ディスク上の情報を読みとったり,ディスク上に情報を書き込むために,可動式のアーム上に固定された磁気ヘッドがディスクのそばに用意されている。
この磁性体ディスク上の領域は,多数の同心円状のトラックと呼ばれる領域に分割されている。
さらにトラックは,セクタとよばれる部分に分割される。情報はセクタ単位で記録される。各セクタは,「第4トラックの第11セクタ」というように区別することができる。
磁気ヘッドのついたアームは基本的にディスクの中心←→外側の方向に移動して,目的のトラックを選ぶ。そして,ディスクが回転することによって,目的のセクタ上に磁気ヘッドを位置させることができる。
物であるのに対し,ディスクドライブには,円盤
【2】ファイル
ディスク上に記録される情報は,ファイル(file)という単位で記録される。各ファイルには名前をつけることができる。この名前をファイル名と呼ぶ。
▲ファイルのイメージファイルは,1個以上のセクタを使ってディスク上に記録(保存,save)される。1つのファイルを記録するのに,1個のセクタでは足りない場合,そのファイルは複数のセクタに分けられて記録される。このとき,『どのセクタがどのファイルの何番目のセクタか』,という情報もディスク上に記録される。イメージ的には,ディスク上の複数のセクタが,じゅず繋ぎになってひとつのファイルを構成していると思えばよい。
▲この例では,ファイルは5つの離れたセクタに分割されて記録されているなお,『ファイルを構成するセクタをどのように記録するか』などという記録方法は,オペレーティングシステムによって異なる。また,そういった特別な管理情報を記録する場所も,製品として出荷されたディスクドライブには用意されていない。そのため,購入したばかりのディスクドライブは,そのままでは使えない。必要な管理領域を用意するなどの処置をしてディスクドライブを使用できるようにすることを,『フォーマット(format)する』とか『初期化(イニシャライズ,initialize)する』などと言う。
既に使用しているディスクドライブをフォーマットすると,それまで記録していた管理情報の内容が消えてしまうので,それまで記録していたディスク上の情報にはアクセスできなくなる。「まっさら」な状態でイチから再使用することになるので,特別な理由のない限り,使用中のディスクドライブをフォーマットしないようにすること。
【3】フォルダ(ディレクトリ)
ファイルを整理しやすいように用意されているのが,フォルダ(folder)と呼ばれるものである。現実のフォルダは,複数のファイルを入れる『入れ物』である。 ◆
『現実のフォルダ』と同様に,フォルダには複数のファイルを『入れておく』ことができる。フォルダにも名前をつけることができる。
▲フォルダのイメージ▲フォルダの中にファイルを
入れる関連するファイルをひとまとめに1つのフォルダに入れておくと管理しやすい。なお,フォルダは,ディレクトリ(directory)と呼ばれることもある。
フォルダの中には,ファイルだけでなく,別のフォルダを入れておくこともできる。このため,『"趣味"というフォルダの中に別の"絵"というフォルダを作り,その中に更に"オリジナルの絵"というフォルダを置き,その中に自分で描いた絵のファイルを入れる』というように階層的に整理できる。
なお,ひとつのフォルダの中にあるフォルダやファイルは必ず異なる名前でなくてはならない。
こうして,フォルダ・ファイルは,(上下逆さにした)木の形をした階層構造をとることになる。木の根の部分に当たるフォルダは,ルートディレクトリ(root directory)と呼ばれる。rootとは,『根』という意味である。
このディレクトリ・ファイルの木構造は,Windowsではひとつのディスクドライブごとに1個有る。
Windowsでは,Aから始まるアルファベットをディスクドライブに割り振っている。AドライブとBドライブは通常,フロッピーディスクドライブである。内蔵のディスクドライブはCドライブとなるのが標準的なWindowsマシンの構成である。本学のシステムでは,Zというドライブが各学生用のドライブとして用意されている。
では,実際にWindowsでディスクやフォルダ,ファイルを見てみよう。
フォルダを作成するには,「ファイル」→「新規作成」→「フォルダ」を選ぶ。実際に作って名前を変えてみよう。
不要になったフォルダやファイルを消去するには,2段階の操作を行う。ごみ箱へ入れて,その後,空にする。
なお,Zドライブ以外のフォルダやファイルは,コンピュータの動作に必要なものや,他の人と共有するものなので,勝手に消したり変更しないようにすること。また,Zドライブの中のフォルダやファイルでも,コンピュータの動作に必要なフォルダやファイルがあるので,自分で作成したフォルダやファイル以外は不用意に消さないこと(しばらく慣れれば,消していいものかどうかが判断できるようになる)。
【4】ファイル拡張子とソフトウェアとの関係
拡張子を変えるとアイコンと対応するソフトウェアも変わる(しかし,データの中身は変わらないので,他のソフトウェアでは読めなくなることが普通)