モジュールとヘッダファイル |
さて,List 0.1では stdio.h というファイルをインクルードしていました。
stdio.h は画面への文字の表示やファイルへのデータの入出力を行う関数群や型などを使用するために必要なファイルなのです。
ANSI規格に準拠したC言語コンパイラには,規格で定められている標準の関数が数多く用意されていて,それらを利用することがで
きるようになっています。
この関数群を標準ライブラリ(standard library)と呼びます。標準ライブラリの関数はいくつかの互いに関連するものどうしが集め
られてグループとしてまとめられています。この関連しあう関数の集まりをモジュール(module)と呼びます(このモジュールもソース
プログラムをコンパイルすることによって得られます)。
そして,各モジュールにはそのモジュールを使用するのに必要な情報を記述したファイルが用意されています。これを一般に
ヘッダファイル(header file)
と呼びます(Fig. 0.36)。
C言語のヘッダファイル名は伝統的に拡張子“.h”をつけるようになっています。 List 0.1でインクルードしている stdio.h は標準の
データ入出力用モジュールのヘッダファイルなのです(stdioはSTanDard Input Outputの略)。
List 0.1ではmain関数の中でprintf()という関数を呼び出しています。この関数は標準入出力ライブラリの一員で,そのために
stdio.hをインクルードする必要があるわけです。
List 0.1を実行すると,main()関数がprintf()関数を呼び出し,printf()関数が実引数に与えられた文字列“Hello World!/n”を
画面に出力しているわけです。末尾の“¥n”は出力されていないように見えますが,これは改行を表した特別な文字指定です。です
から,画面上では“Hello World!”という文字列の後で改行されているはずです。printf()関数は,データを文字列に変換し,いろいろ
な書式(左詰めだとか何桁表示とか)を指定して出力できる便利な関数です。