(0)まず,変数の設計図である「データ型」がある。「データ型」は「そのデータが何を表現しているか,何バイト使うか」 といった情報を持っている。たとえば,int型は「データは整数を表現していて,4バイト使う」という情報を持っている。 (1)この「データ型」を元に,メモリ上に数バイト使用して変数が誕生する。 ※なお,変数(variable)はインスタンス(instance)とも言われる。インスタンスは「実例」とか「実体」という意味で, 「データ型のひとつひとつの実例」というニュアンス である。 「住宅の一生」に例えれば,家の設計図を基に,メモリという敷地の一部をいくらか使って,その上に家を建てる段階に当たる。 (2)変数(インスタンス)の誕生した直後は,生成される毎に中に入っている値が異なる。そのため,変数を使用する前に,適切 な初期値で変数を初期化しないとプログラムの正しい動作が期待できない。「住宅の一生」に例えれば,住宅のライフライ ン(電気・水道・下水・ガス等々)をひいたり,家具を揃えたりカーペットや畳を敷いたりして住めるように仕上げる段階に 相当する。 (3)変数が初期化されたら,いよいよその変数を使う(変数に値を代入したり,変数に入ってる値を使ったり)段階に入る。この とき,不正な操作で変数の値が勝手にいじられると,プログラムが正しく動作しなくなってしまう。このようなことを防ぐ には,変数へのアクセスできるものを「正しい操作」だけに限定して,それ以外の「不正な操作・不正かもしれない操作」 からアクセスされるのを防がなくてはならない。「住宅の一生」に例えれば,住宅の中のものを勝手にいじられないように セキュリティをかため,家族のメンバーだけが入れるようにし,家族以外の部外者の侵入を防ぐようにする,ということで ある。 (4)変数が役目を終えるのは,その中に入っている値を最後に参照したときである。「住宅の一生」に例えれば,家の中を最後 に利用したときとなる。 (5)役目が終わり,もう使用されることがない変数は,消滅してもらわなくてはならない。なぜなら,使用されることがない変数 がそのまま居残り続けると,メモリという敷地の一部を占領しつづけることになる。このような「居残り変数」が多くなると 他の目的のために使用できるメモリ領域(空きメモリ)が不足してしまう。このように不必要な変数がメモリ上に居残り続けて, 空きメモリが不足する現象を「メモリリーク(memory leak,メモリ漏れ)」と言う。メモリリークはプログラムの動作不良 の代表的な原因である。メモリリークを防ぐために,必要の無くなった変数には消滅してもらい,その変数が占拠していた メモリ領域を明け渡すようにする必要がある。Javaでは,不必要になった変数(いわば「ゴミ」)は,ガベージコレクション (gabage collection,ゴミ集め)という仕組みによって自動的に調べられ,自動的に消滅するようになっている。 「住宅の一生」 に例えれば,要らなくなった住宅を壊さずにそのまま放置すると土地を無駄使いして土地不足になるので, 不必要な住宅を壊して敷地を更地に直し,土地を他の用途に使えるようにすることに当たる
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