■大学設置基準で定められている予習・復習時間について


  ・文科省の省令で定められている大学設置基準では,学生が予習・復習に相当の時間をかけることを前提に
   到達目標をさだめて授業を行うように規定されています。
  ・大学設置基準から抜粋

(単位)
第二十一条  各授業科目の単位数は、大学において定めるものとする。
2  前項の単位数を定めるに当たつては、一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする
   内容をもつて構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、
   授業時間外に必要な学修等を考慮して、次の基準により単位数を計算するものとする。
一  講義及び演習については、十五時間から三十時間までの範囲で大学が定める時間の授業
   をもつて一単位とする。
二  実験、実習及び実技については、三十時間から四十五時間までの範囲で大学が定める時
   間の授業をもつて一単位とする。ただし、芸術等の分野における個人指導による実技の
   授業については、大学が定める時間の授業をもつて一単位とすることができる。
三  一の授業科目について、講義、演習、実験、実習又は実技のうち二以上の方法の併用に
   より行う場合については、その組み合わせに応じ、前二号に規定する基準を考慮して
   大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。


 上記の規定からすると,半期15回の通常授業は2単位ですから,90時間の学習を予習・授業・復習
を「必要」とすることを標準的な前提とすることになります。1コマ1.5時間(90分)×15回の通常授業では

  1.5 × 15 = 22.5時間 (90時間の1/4に過ぎません)

の学習になります。90 - 22.5 = 67.5 時間は授業外の時間(予習・復習)となり,
仮に予習と復習に同じ時間だけ割くとすると,(67.5/2) / 22.5 = 1.5 ですから

 1コマの授業につき,1.5コマ分の予習,1.5コマ分の復習を「必要とする」

 ほどに,授業の到達目標は「高い」ことになります。(この規定はどこの大学でも同じです)
授業を受ける学生は,これくらいの予習・復習時間を取ることが義務づけられているというわけです。
(こういった所でも同じような話題が出ています。→リンク

  言い方を変えると,「授業に出てるだけで完全に理解できる授業」は,大学の授業としては内容が薄い
良くない授業,ということになります。

 実際に,どれぐらいの時間を予習・復習に時間に掛ければよいかは授業によっても変わってきますし,
同じ授業でも回によっても変わってきます。
 ・予習は次の回の授業内容を一通りこなし,理解できないところを洗い出せるまで
 ・復習は授業で分からなかった所を理解出来る様にし忘れないようにする。
などが目安となります。

 もし,授業の成績が芳しくない場合,大学生としての学修態度として予習・復習,そして復習のた
めのノートなどをとっているか,自己分析してみて下さい。成績の良い学生さんはそういった時間を
割いている場合が殆どです。

 なお,演習を中心とする科目は週2コマに設定されており(1年生必修の情報リテラシー等),
  週2コマの授業で2単位
となっています。一方,週1コマで設定されている科目(この授業など)はあくまで講義中心の内容
で行うことが前提になっており,
  週1コマの授業で2単位
となっています。このように両者は明確に区分けされています。このことから,週1コマのプログラミング
授業は講義中心で,授業内で演習は行うものの,演習中心ではなく,必要であれば復習時に各自演習
するという形が基本的なスタイル
になります。
なお, 「プログラミング応用a」「同演習」のような講義科目と演習科目のセット履修科目は,講義科目
が2単位,演習科目が1単位となっています。


参考:大学設置基準を見るには,総務省の法令データ提供システムで,「法令索引検索」の「法令の用語索引」タブで 大学設置基準 で検索します。直接リンクはこちら